百足団子虫

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 シャーロットには「ホーネッツ」という名前のNBAチームがあるが、その「ホーネッツ」というのはHornets、スズメバチのことである。そういう由来があることからして当然のごとくシャーロットには蜂が多い。大学構内のゴミ箱にはいつもたかっている。WOGはその近くの自販機でミネラルウォーターを買おうとしたところ、こっちに向かって飛んできてびくびくものだった。
 
 さて、今日は寮のコインランドリーで洗濯が終わるのを待っていたところ、床に何だか得体の知れないものが蠢いている。長さと色から言って一瞬ヒルかと思いかなりびくついたが、よく見れば違った。ダンゴムシを長く太くしたような多足類の生き物だった。こういうのは英語でWORMと言っていいのかBUGと言ってもいいものか判らないが、とにかく日本では見たことがないぐらい大きかった。また動き方がユーモラスで普通ムカデのような多足類は「もしゃもしゃわしゃわしゃ」と動くのだがこのムカデダンゴムシは「ガタッガタッ」とリズムを刻んで動いているのである。足の動き方はムカデと一緒なのに、どこかが引っかかるのであろう。まぁとにかく、こんな所にいればその内心ない人に踏みつぶされるか驚かれて殺されてしまうかされるであろうから近くにあったビニール袋の中に導き入れて外に放してやった。一寸の虫(いや二寸ぐらいあったが)にも五分の魂。

 ダンゴムシといえば、カフカの小説「変身」の中で主人公がメタモルフォーズしてしまうのは一体具体的には何かという話で一時期盛り上がったことがあって周りの人に聞いて回ったことを思い出す。多くの人は「ゴキブリ」と言っていたが、中には「カブトムシ」などと言っていた人もいたっけ。当の小説の中では「甲虫」としか出てこないので、それから後はみなさんの想像次第なのだが、おおよその人は自分が忌み嫌う動物を挙げていたような気がする。因みにWOGは最初読んだとき頭の中に浮かんだのは巨大なダンゴムシだった。何だか「風の谷のナウシカ」に出てくるオーム(字が出てこねぇ)っぽいなぁ。でも、今日見たムカデダンゴムシが巨大になっても充分恐ろしくって実の妹にも嫌われそうな気配。

 以上、虫嫌いの人には身の毛もよだつお話で申し訳ない。WOGはこれらの虫はそんなに嫌いではないのでついつい具体的に描写しちゃった。そんなWOGが忌み嫌うのはトルネードと蝶と蛾です。

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