Il pleut dans mon coeur,....(綴り自信なし)

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 今日は昨日から引き続き雨が降っている。明け方雷が鳴ったので起きてしまった。雷って苦手なんだよぅ(泣) ま、この辺は背の高いラジオ塔やら高層ビルがあるからそれが避雷針になってるから大丈夫だとは思うけど・・・。ま、1年で一番寒い1月のこの時期に雪でなく雨が降ってるってのはいかにも気候の温暖さを表してるような気がしますが。
 
 閑話休題。ラップのことですね。続き書かなきゃ。WOGはウィル・スミスも結構好きです。Will 2Kなんかは今よく車の中で大音量で聴いてます。最新アルバム"Willenium"は結構最初にノリいい曲を持ってきてて楽しいですよね。2pacほど好きな訳ではないけど。彼に関しては、ウィル・スミスじゃない頃、MC Fresh PrinceとしてDJ Jazzy Jeffと並列で活躍してた頃の方が好きかな。今だとあまりにウィル・スミスの名が人口に膾炙しすぎていてラップ本来の持つ牙みたいなものが大規模流通の需要の中で失われちゃってるような気がする。ラップの中で"Parental Advisory-Explicit Content"(つまり、あからさまに放送禁止用語が羅列されてますからお子さま向けではありませんよーってことですが)の表示がなくてもめちゃめちゃ売れてしまうのなんてウィル・スミスぐらいだろう(笑)。
 彼の場合、もう既に映画俳優としての地位及び知名度が確立されてしまってるから、ラップのアルバム出してもその知名度だけで売れちゃうんだよね(つうか、私の元ルームメイトの中国人の女の子は彼が映画俳優とばかり思っていたそうな・・・^_^;;;)。まさにマーケティングの材料としては「計算できる」商品。"Willenium"聴いてて「ああ、もうウィル・スミスは一つのメディアだな」と思った。この場合、メディアってのは言葉通り「媒体」を意味することととって下さいね。ウィル・スミスっていう「大きな入れ物」の中でK-CiやらLil' KimやらEVEやらDru Hillやらが生きてるって感じ。勿論、ウィル・スミスはラップうまいです。・・・が、知名度が上がっていくなか、昔のFresh Princeが持ってたような「大人共はオレ達のことは判ってくれないんだ」なんて拗ねたティーンエイジャーの不満、みたいなのは払拭され、一つの入れ物になった。だから、1枚出して売れれば御の字、でも2枚目では既に落ち目、みたいに新旧交代のめちゃめちゃ激しいラップの中で生き残れてる。昔から考えればフレッシュ・プリンスがリル・キムなんかと組んで曲作るなんて方向性が違いすぎて「果たして売れるのか?」みたいな気がしますもん。(というか、今ですらやっぱ「健全な」(笑)ウィル・スミスにまんまビッチなリルキムの取り合わせっつうのはやっぱ笑える)
 だからって、最初から入れ物になろうとしてもやっぱりそれは失敗する。入れ物になりうるのは既に知名度が確立され、マーケットが計算できる人物のみ。その意味ではパフ・ダディも闇鍋可能な(笑)大きな入れ物。Cam'ronなんかはそれを最初からやろうとして批判されてしまった。やっぱ最初はある方向性を打ち出すなり、どっかのでっかい傘の下に入るなりして売っていかないと、固定客すら付かないで終わってしまうのだろう。

 あ、昨日は2pacのことについて書いたからビギーのことも書かなきゃ。ビギーってのはNotorious B.I.G.のことなんですけど、WOGはビギーも大好きです。何というか、声がやっぱりすごい。よくオペラ歌手はその豊満な体が一つの楽器だと言われるけど(WOGの好きな黒人オペラ歌手、ジェシー・ノーマンはまさにそれ)ビギーも「ノトーリアス・ビーアイジー」っていう楽器。声にコクがあって深みがあって(料理のような形容だな)、あんな朗々とした(でも翳りもちゃんとある)声のラッパー、やっぱもう出てこないよ、なんて思う。とてもやさしい人だったらしいし。リルキムは、フェイス・エヴァンスっていう美人な歌手がビギーの妻として存在しているということを知りながらもビギーへの、父や兄への憧れにも似た恋心を抱いてた。ビギーのことを語ってる時のリルキムは普段流布してるような「セックスが全てのビッチ=あばずれ女」では全然なく、ただのかわいい一人の恋する女の子だった。「リルキムもあーやってフツーにTシャツ着て、メイクも薄目にしてれば全然フツーのかわいい女の子なのになぁ・・・」と思うんだけど、それではこの世界は生き残って行けないんだろうなぁ。基本的にギャングスタ・ラップでは女はビッチなあばずれしか存在しないことになってるから(苦笑)。
 WOGは何でラップ聴いてるかって言えば、まぁそのリズムだとか声だとかが好きなわけですけど、彼らのライムを聞いてると彼らの思いこみや偏見や育ってきた社会状況がモロに反映されてて面白いっていうのもちょこっとあります。あるラッパーが「ラッパーはゲットーのスポークスパーソンの役割も果たしてるんだ」って言ってましたが、まさにその通りなんですよね。
 あ、でもWOGは学生を長くやってますが、だからってそう言う理屈だけで音楽や芸術を片づけようとする態度は好きではありません。どんなに偉いさんがご丁寧な解説を付け加えたとしても結局はそれを見る個々人がどう思うかってのが問題でしょう。好きなもんに長ったらしい説明はあましいりませんよ(こういう考え方が自分を学者になれなくさせてるんだろうな・・・・苦笑) ま、人間は何でもラベルを付けたがる生き物ですから、海のモノとも山のモノともつかないものに接するときには何か手がかりがないといけないんでしょうけどね。


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